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2024.03.11
広告市場は過去最高でもメディアが暗い理由

インターネット広告費が順調に伸びている中、新聞と雑誌のデジタル版の広告費が下がっているという異変が起きている。ネット広告の成長から、旧来のメディアが振り落とされようとしているのではないか――。

 

2月27日、電通が前年の日本の広告市場を集計する「日本の広告費」を発表した。2023年は日本の総広告費が過去最高の7兆3167億円になった。もちろん牽引役はインターネット広告費で、3兆3330億円と前年から7.8%も増えている。

 

マス媒体はデジタルを活用することで、広告収入減少をカバーできるはずだからDXを進めるべきとの論がメディア業界にはあった。雑誌メディアはその成功例と言えた。新聞デジタルは2022年でもまだ221億円で、紙の新聞の広告収入3697億円の10分の1にも満たない。だが雑誌デジタルは2022年には610億円に達し、紙の雑誌は1140億円に落ちたものの、このまま進めばデジタルと紙が雑誌広告の両翼となる気配だった。

 

ところが2023年の雑誌デジタルは611億円とほぼ横ばいだった。幸い、紙の雑誌広告が1163億円と20億円以上回復したので合計では上がった。だが、「紙とデジタルの両翼」になるはずが違ってきたように見える。

 

そして、新聞デジタルは208億円と前年から下がってしまった。紙の新聞広告も例年通り下がって3512億円だったので、両方とも落ちた。新聞も雑誌に倣ってデジタルを伸ばせばいいと多くの人が思い描いていただろう。

だが雑誌デジタルは横ばい、新聞デジタルは下がった。

 

 

■画面が広告だらけでどれが記事かわからない

 

だがもっと問題だと私が感じているのは、真っ当な媒体社であるはずの新聞社や出版社が運営するデジタルメディアで、広告が溢れかえるほど表示されることだ。アドフラウドならぬアドフラッド、広告の洪水だ。

 

記事を読もうにも、画面が広告だらけでどれが記事かわからない。ページをめくるとまず全面に広告が表示され、×ボタンを探して閉じないと次のページに行けない。記事を読んでほしいのか?  広告を見せればそれでいいのか?  まともな媒体社なら前者のはずだが、後者としか思えない。これではMFAと大して変わらないではないか。そう言いたくなるメディアが増えている。前は普通に読んでいたメディアなのに、広告洪水で萎えてもう二度と開きたくなくなっている。

 

最新の日本の広告費を見て、その背景がわかった。MFAや詐欺まがいの広告に押されて、真っ当なはずのメディアも一線を超えようとしている。メディアの矜持をかなぐり捨ててでもMFAまがいに広告を大量に表示しないと売り上げが追いつかないのではないか。広告洪水は、そんなメディアの悲鳴と受け止めた。

 

 

 

■安心して楽しめるメディア環境はみんなでつくる

 

今はその分岐点ではないか。両氏が言うとおり、企業はこの問題が今や社会そのものを脅かしていることを認識し、人手や予算がかかっても決然と対処する判断をトップレベルですべきだ。広告は強引に表示しても効果はない。また企業のブランド価値を支える重要な活動でもある。その認識を、ネット広告の世界でも忘れてはいけない。

 

 

 

https://finance.yahoo.co.jp/news/

 

 

 

※本記事は、スウィングクルーがピックアップしているマーケティング関連ニュースのクリップです。スウィングクルーが発表しているニュースではございません。

 

 

 

 

 

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